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寄 り 道 主 義 の デ ザ イ ン ラ イ フ

■海外が認めた地方企業の底力。―仕事で写真[1]

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「ほ~っとけない!」 TBSテレビ[みのもんたの朝ズバッ!]のコーナーではないけど、
全国各地の税金の無駄遣いにはほんと頭にくるね。
国民が納得いかない問題があり過ぎです。 
市の財政が破綻した夕張なんてひどいもんですよね。
夕張一筋で生きてきた地元の高齢者は可哀相過ぎ。
泣いてましたよね。
こんな日本に誰がした!!責任者出て来~い!!

でも一寸待ってください。
「日本の地方も捨てたもんじゃないよ!!」って話題をひとつ。
元気な地方もあるんです。

ここに紹介するのは、
「海外が認めた地方企業の底力―[ 日本発] が世界を攻める」。
このタイトルは07年4月号の日経トレンディの特集タイトルです。
地方企業の底力を5つの刺激的な事例で特集紹介しています。
その内の1つが僕が10年来仕事をさせていただいている
宮崎県の小さなワイナリーの事例です。

タイミングよくNPO法人30団体のプラットホームである
NPOコンソーシアム足利の鈴木光尚さんから
「全国に発信する情報誌に[協働]というテーマで
原稿を書いて欲しい」という依頼がありました。
なので、「これはいいな」と宮崎のワイナリーの事例を
ご紹介させていただくことになりました。
下記がその文章です。



すべてはマイナスから始まった。
ここにオープンから10年間、躍進を続ける第三セクターのワイナリーがある。
宮崎県の都農ワイナリーだ。2004・2005の内外の評価に続き
2006年、またまた国際的権威のある英国のワイン百科でアジア1位に輝いた。
ワイン造りには不向きと言われる南国宮崎での嘘のような本当の話しだ。
葡萄農家の売れ残った原料、ワイン専用品種には全く不向きな気候風土、
加えて第三セクターという一般的に問題の多い組織形態、
地元のしがらみ、等々数え上げたらキリが無いほどのマイナス要因を克服しての快挙だ。

保守的な地域において協働で社会的使命を持った経済活動を行うことは至難の業だ。
ここでの成功要因はまさに業と技を併せ持った人々が醸しだす
力強くセンシィティブな人間力のコラボレーションに他ならない。

まず最初の人間力は「世界に通用するワインを造るんだ。」と、
情熱的に語る創造力に富んだ醸造家小畑暁さんの存在である。
他町からやってきた激しくも魅力的な人間だ。
彼は「いいワインはいい葡萄からできる。」と言い切った。
これを実現するために登場するのが土壌研究の異端児三輪晋さんである。
彼の実践する農法は従来の農業における土作りとは間逆だ。
よって周囲からは変人扱いである。
彼の考えに共感し、ただ一人三輪流農法を試みた勇気ある葡萄生産者黒木令二さん。
そして、当時農業高校を卒業したばかりの赤尾誠二君がこの三人のサポート役を務めた。
しがらみの多い地方ではどんなに優れた人間でも表舞台に登場し成功するのは難しい。
しかし、この夢のようなキャスティングが出来たのも
社長である河野通継町長の器量と裁量があったからこそである。
安心・安全とは程遠い前例の無いリスキーな
異端児キャスティングを実現、見事成功に導いた。

そんな彼らの思いを風が運んでくれた。
町の人々に、県内に、全国に、そして世界にも夢の共有が広がっていった。

思い起こせば10年前、専門家に
「ここの葡萄ではいいワインが造れないよ」とまで言われた。
しかし初年度発売日から一ヶ月で売り切れた。
大好評だった。以来幾多の障壁にもめげず躍進中である。

最後になるが私の役割は、「みんなのワイン」という共通の思いを
具現化して行くための経営的デザイン戦略の為のデザインワークだ。
老若男女、みんな共通の夢を抱く同志みたいなものだ。
同じ目線で語り合い、それぞれの分野で努力し、
叡智を結集して仕事をこなす個性派集団。
これこそが人間力を併せ持つ最強の協働であると考える。
成功と感動の裏にはいつでも夢を追いチャレンジする人間たちがいる。

吉田正之 寄稿

■血と汗と涙の結晶、感動の[都農ワイン]
■環境保全型農業推進コンクールで、大賞の農林水産大臣賞を受賞。
by mys27 | 2007-05-30 16:23 | ◎仕事で写真